有限会社は、2006年5月の会社法施行以降、新たに設立することができなくなった会社形態です。現在も存続している有限会社は「特例有限会社」として扱われています。
有限会社では、社名変更や印鑑の劣化・破損、デザインの変更などをきっかけに、これまで使用してきた印鑑を作り直すケースがあります。また、有限会社から株式会社へ移行する際にも、会社の名称や登記上の資格に合わせて印鑑を作り直すことがあります。
本ガイドでは、有限会社で使用する代表者印・角印・銀行印の種類や彫刻内容に加え、社名変更や印鑑の作り直し、株式会社への移行に伴う印鑑作成について解説します。
| ▼ 代表者印 | ▼ 角印 | ▼ 銀行印 |
|---|---|---|
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| 法人登記や重要契約に使用する、会社において最も大切な印鑑。 | 請求書・領収書・社内文書などの書類に使用する印鑑。 | 金融機関に口座を開設するときや預金の引出しのときなどに使用する印鑑。 |
有限会社の代表者印・実印
代表者印は、会社を代表して契約を結ぶときや、重要な手続きを行うときなどに使用する印鑑です。法務局に会社の印鑑として届け出た代表者印が、一般に「会社の実印」と呼ばれます。
特例有限会社では、会社を代表する取締役の登記上の資格が「取締役」の場合と「代表取締役」の場合があります。
有限会社の代表者印・実印サンプル

■代表者印の彫刻名
有限会社の代表者印は、一般的に次のような構成で作成します。
- 外枠:会社名(例. 朝日精密有限会社)
- 内枠:肩書名
例えば、外枠に会社名、内枠に「取締役之印」または「代表取締役印」といった形で彫刻します。
「取締役」と「代表取締役」の違い
特例有限会社では、取締役の人数や代表取締役の選定状況によって、登記上の資格が異なります。
| 取締役の状況 | 会社を代表する人 | 登記上の資格 |
|---|---|---|
| 取締役が1名 | その取締役 | 取締役 |
| 取締役が複数名で、代表取締役を定めていない | 各取締役 | 取締役 |
| 取締役が複数名で、代表取締役を定めている | 定められた代表取締役 | 代表取締役 |
※「代表社員」など合同会社向けの表記は使用しないよう注意が必要です。
有限会社の角印
角印は、会社の日常業務において使用される印鑑で、請求書・領収書・社内文書などの書類に用いられます。形式的な社印として、書類に押すことで会社としての確認や発行の意思を示します。
有限会社の角印サンプル

■角印の彫刻名
- 会社名(例. 朝日精密有限会社(印))
角印には、正式な社名を彫刻することが一般的です。
印鑑作成時には、社名のバランスを見て、末尾に「印」や「之印」といった送り字を追加することがあります。
有限会社の銀行印
銀行印は、会社の金融機関取引に使用される印鑑で、法人名義の銀行口座を開設する際などに、金融機関へ届け出る印鑑です。主に振込・出金などの資金管理に関する書類への押印に用いられます。
有限会社の銀行印サンプル

■銀行印の彫刻名
有限会社の銀行印は、一般的に次のような構成で作成します。
- 外枠:会社名(例. 朝日精密有限会社)
- 内枠:銀行之印
有限会社の印鑑を作り直すタイミング
有限会社では、社名変更や印鑑の劣化、株式会社への移行などをきっかけに、印鑑を作り直すことがあります。
有限会社の社名変更で印鑑を作り直す場合
有限会社では、事業内容やブランドの変更などに伴い、「有限会社○○」から「有限会社△△」のように、有限会社のまま社名を変更することがあります。
社名を変更すると、これまでの印鑑に彫刻された会社名と一致しなくなるため、新しい社名に合わせて作り直すことがあります。代表者印だけでなく、銀行印や角印など、旧社名が入っている印鑑も作り直すか確認しましょう。
法務局に届け出ている会社の実印を変更する場合は、法務局へ印鑑(改印)届書を提出して登録している印鑑を変更します。印鑑届書には、印鑑を提出する代表者の個人の実印と、3か月以内に発行された印鑑証明書が必要です。
銀行印を変更する場合は、口座を開設している金融機関で変更手続きを行います。角印は、社内で新しい印鑑に切り替えて使用します。
もともと使用している有限会社の印鑑を作り直す場合
社名を変更しなくても、長年使用した印鑑の摩耗・破損や、デザイン変更、代表者の変更などをきっかけに、印鑑を作り直すことがあります。
特に、創業時から同じ印鑑を使用している場合は、印面の摩耗や欠けによって印影がきれいに出なくなることもあります。作り直す際は、現在の会社名や登記上の資格などを確認しましょう。
会社の実印を作り直して登録印を変更する場合は、法務局へ印鑑(改印)届書を提出して改印手続きを行います。銀行印は金融機関で変更手続きを行い、角印は法務局への届出は必要ありません。
有限会社から株式会社へ移行する場合
特例有限会社は、商号を「株式会社」に変更し、特例有限会社の解散登記と株式会社の設立登記を同時に行うことで、株式会社へ移行できます。
会社名が変わるため、代表者印・銀行印・角印なども、新しい会社名に合わせて作り直すことがあります。特に会社の実印を新しくする場合は、株式会社として使用する印鑑を印鑑届書によって法務局へ提出します。
よくある質問
必ず「代表取締役」とするわけではありません。特例有限会社では、登記上の資格が「取締役」の場合もあります。代表者印を作成する際は、登記上の資格に合わせて「取締役」または「代表取締役」などを確認してください。
法務局に届け出ている会社の印鑑を変更する場合は、法務局へ「印鑑(改印)届書」を提出して、登録している印鑑を変更します。銀行印や角印など、法務局に届け出ていない印鑑を作り直す場合は、法務局での改印手続きは必要ありません。
新しい銀行印を使用する場合は、口座を開設している金融機関で印鑑変更の手続きを行います。必要書類や手続き方法は金融機関によって異なるため、事前に確認してください。
株式会社への移行に伴って商号中の「有限会社」が「株式会社」に変更されるため、新しい会社名に合わせて印鑑を作り直すことを検討します。
特例有限会社から株式会社への移行では、特例有限会社の解散登記と株式会社の設立登記を同時に申請します。
登記所に提出している印鑑を変更する場合は、改印の手続きが必要です。
はい、商号にアルファベットが含まれている場合は、印鑑にもアルファベットを使用できます。
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