自動車売買に必要な印鑑とは?

車の購入・売却は、不動産に次ぐ高額な取引です。ディーラーや中古車販売店で手続きを進めるなかで、「どんな印鑑が必要?」「実印でないとダメな書類はどれ?」と迷う方は多いはずです。

この記事では、新車・中古車の購入時、および売却・下取り時に必要な印鑑の種類と使い方を、場面ごとにわかりやすく解説します。事前に準備しておくことで、当日の手続きをスムーズに進めることができます。

自動車売買で使う印鑑の種類

自動車の売買手続きでは、主に以下の3種類の印鑑が登場します。不動産売買と同様に「実印」が中心になりますが、場面によって使い分けが必要です。

印鑑の種類自動車売買における用途
実印
実印
市区町村に登録した最も重要な印鑑。普通自動車の売買(登録・名義変更)や、各種ローン契約などの重要書類への押印に使用
銀行印
銀行印
金融機関に届け出た印鑑。自動車ローン審査・口座振替手続きなど金融機関への届出書類に使用
認印
認印
どこにも登録・届け出していない印鑑。注文書や見積書の受領確認のほか、軽自動車の売買手続き全般に使用

印鑑証明書の提出を求められない書類(軽自動車の手続きや、単なる見積書など)に、念のためといってむやみに実印を押印することは、印影の偽造リスクなどの観点からおすすめできません。 認印で済む場面と実印が必要な場面をしっかり区別しましょう。

実印の登録方法と印鑑証明書の取得

普通自動車の取引や、ローン契約を行う場合は「実印」と「印鑑証明書」が必須となります。

実印の登録(印鑑登録)

まだ印鑑登録をしていない方は、お住まいの市区町村の窓口で手続きを行いましょう。

  • 持ち物:本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)、登録したい印鑑
  • 費用:無料〜数百円(自治体による)
  • 所要時間:即日〜数日(即日発行できる自治体が多い)

印鑑証明書の取得

実印を使う書類には、「本当にこの印鑑が登録されたものですか」と証明するために、印鑑証明書(印鑑登録証明書)の添付が求められます。

  • 取得場所:市区町村の窓口、コンビニ(マイナンバーカードがあれば)
  • 費用:300円前後(1通)
  • 有効期限:発行日から3か月以内のものが求められることが多い

※コンビニ交付は、お住まいの自治体が対応している場合に限ります。また、引越し直後などは利用できるまで数日かかる場合があるため、事前の確認が安心です。

自動車売買でも印鑑証明書には有効期限があります。契約日や名義変更の日程が決まってから取得するのがおすすめです。また、ローン利用時は金融機関から追加で1通求められる場合があります。

自動車売買の場面別:どの印鑑が必要か

自動車の売買は「購入」と「売却(下取り)」で必要書類が異なります。それぞれの場面を確認しましょう。

【購入時】新車・中古車を買う場合

注文書・見積書の取り交わし

車種を決め、最初に取り交わす書類です。

書類必要な印鑑印鑑証明書
注文書(購入申込書)認印(シャチハタ不可)不要
見積書(確認)認印不要

この段階では認印で問題ないケースがほとんどですが、販売店によって異なります。近年はWeb完結(電子契約)で押印不要のケースも増えています。事前に確認しましょう。

売買契約書の締結

販売店と正式な契約を結ぶ、最も重要な場面です。

書類必要な印鑑印鑑証明書
自動車売買契約書実印(軽自動車の場合認印必要(1通、軽自動車は不要)

普通自動車の場合、売買契約書には実印が必要です。国に資産として登録するため、売買契約書から実印を求められるのが一般的です。
軽自動車は登録資産ではないため、契約書も認印(シャチハタ不可)で締結できます。

自動車ローン契約

ローンを利用する場合、金融機関や信販会社との間で契約を結びます。

書類必要な印鑑印鑑証明書
金銭消費貸借契約書(ローン契約書)実印必要
口座振替依頼書銀行印不要
保証契約書(連帯保証人がいる場合)実印必要

ローン契約は高額な金融取引であるため、車種を問わず実印と印鑑証明書、また銀行印を求められるケースがほとんどです(※オンライン完結型の電子契約等を除く)。
金融機関によって異なるため、担当者に確認しましょう。

名義変更(移転登録)手続き

車を購入したら、ディーラーや販売店が代行して名義変更(移転登録)を行うのが一般的です。その際に必要な書類を準備します。

書類必要な印鑑印鑑証明書
委任状(名義変更の代行依頼)実印(軽自動車の場合、申請依頼書に認印必要(普通自動車のみ1通)
自動車税・自動車取得税申告書不要(※現在は押印廃止)不要

ディーラーが手続きを代行する場合、普通自動車であれば購入者本人の実印・印鑑証明書が必要です。軽自動車の場合は実印・印鑑証明書は不要で、認印の押印と新使用者の住民票(コピー可)を提出します。

なお、購入時の自動車税関連の申告書については、現在普通車・軽車ともに原則として押印自体が不要となっています。

【売却・下取り時】車を売る場合

車を売却・下取りに出す際にも、名義を相手に移す手続き(移転登録または抹消登録)が必要です。

書類必要な印鑑印鑑証明書
譲渡証明書実印(軽自動車の場合認印必要(普通自動車のみ)
委任状(廃車・移転の代行依頼)実印(軽自動車の場合、申請依頼書に認印必要(普通自動車のみ)
自動車税還付委任状(普通車のみ)実印必要(還付手続き用として追加1通)

普通自動車を年度の途中で売却する場合、払いすぎた自動車税の月割り還付金を受け取る権利を店舗に譲渡するため、「自動車税還付委任状」への実印の押印が必要になります。そのため、普通自動車の売却では名義変更用と税金還付用で印鑑証明書が計2通求められるケースが一般的です。

一方、軽自動車を売却する場合はすべて認印(シャチハタ不可)で手続きができ、実印や印鑑証明書は必要ありません(軽自動車税には月割り還付制度がないため、還付用書類も不要です)。代わりに「所有者本人の住民票(コピー可)」が必要になります。

売却時は車種や買取業者によって印鑑証明書の必要枚数が異なるため、事前に「何通必要か」を確認し、まとめて取得しておくと効率的です。

まとめ

自動車の売買手続きでは、普通自動車の名義変更やローン契約など、重要な場面で「実印」と「印鑑証明書」がセットで必要になります(軽自動車の手続きは原則認印ですが、ローン利用時は実印が必要です)。また、口座振替には「銀行印」も使用するため、3種類の印鑑の使い分けを把握しておくことが大切です。

特に中古車の個人間売買や、家族名義の車を売却・下取りする場合は思わぬ手間が発生しやすいため、事前に手続きの流れを確認しておきましょう。不明な点があれば、ディーラー・買取業者・陸運局の窓口に遠慮なく質問してください。準備をしっかり整えることで、安心してスムーズな取引ができます。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、具体的な手続きはディーラー・販売店・金融機関等の専門家にご確認ください。

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